文・前田敏康 (前田畳製作所 代表)

農業機械の進化とともに、畳(床)に使用する長いワラが入手できなくなってしまいました。コンバインが普及し、稲刈りの時点でワラを短く截断してしまうからです。酒米山田錦の産地であるここも同じく。私の小さな頃はワラ取りといってご近所さんの田んぼからワラを分けてもらっていました。もう稲木の姿を見ることもない。合理化や少子化の波をじわりじわり感じます。

八幡さんの子供相撲
お伊勢講
池の水抜き…

村のみんなが集まる機会もなくなりつつありますが、それでも代々この地で受け継がれてきた助け合いの行事は残っています。

今年の冬も地域で集まり、三週連続の草刈りをしました。
これだけ集まると早い早い。

 

あとは農業には欠かせない、溜め池周りの一斉清掃。最近は水利もよくなりすべての池が活躍しているわけではないですが、この地を代々潤してきた大小あわせたいくつもの池を順番に清掃していきます。

 

地域の歴史や工夫、知恵を拝借できる良い機会です。